深刻な少子化問題に対しては、このところ騒がしいほど様々な国の施策がとられてはおりますが、子育てのあり方や子育て環境もその影響を受け変わってきてはいるものの、実態としては、いまだ多くの課題が残されており、預ける側も預かる側も悩みはつきません。

私どもも保育園の運営を中心に活動してまいりました中で、常に３つの課題に直面しておりました。一つ目は、働くお母さまに、選んでいただき喜んでいただける園づくりや情報発信とはいったいどんなものか。二つ目は、保育従事者の成長意欲やメンタルヘルスに関して、どう手を差し伸べていったらいいのか。そして３つ目は、保育事業者が健全な運営を継続していくために、事業者間でどういった連携や協力がしていけるのか。

とくに３つ目においては、事業継承も含め、保育業界全体の統廃合が進んでいることを肌で感じます。待機児童が理屈上ゼロとなり、保育料無償化の波が訪れたことで、認可園以外の経営においては、教育時間を洗練させていかなければ、生き残れなくなってきています。保育園ごとにアイデンティティの確立が急務、という状況になってきているのです。“開ければ埋まる時代”は終わったのです。これが業界全体の大きな大きな課題だと感じています。

私どもは、この３つの課題に対し、等身大でいい、まず出来るところから、諦めず手を付け、業界、そして社会に貢献していくべきだと考えました。

「ママテラス」は、そんな中で生まれた、ハブとしての「場」そのものなのです。

小さな風呂敷でも、まずは広げて、受け入れる。そこに集まる声や情報を、しっかりとキャッチし、同じ悩みをもつ皆さんに、少しでも還元する。そのために「ママテラス」は存在します。

この小さな一歩が、大きな成果につながっていくと信じて前進していまいります。

令和６年４月
ママテラス企画室　代表　森本奈美